電話の思い出(3) 有線電話 2月23日 青野正宏

 子供のころ、農村にある親戚の家に行ったとき、農協が運営していたのだろうか有線網の電話が地域の家に巡らせてあった。何か地域全体に伝えたいことがあればそこから放送する。規模は小さいが現在の無線放送のようなものである。また、線が引かれていた家相互間での通話つまり電話機能も果たしていた。はっきりと覚えていないがおそらく電電公社の電話網とは運営している管理元とはつながっていたのではないかと思う。当該の家に電話があると、何番々々と大きな声でオペレータが放送する。そこで当該の家が電話に出ると通話できるという仕組みである。電話の近くによると小さい声ながら話している内容が聞こえてくる。プライバシーは全く保たれない。有線網に加入していたのは呼ばれている番号から推測すると2桁の加入数だろうが、まあそれで同時に一回線で足りていたようである。牧歌的な時代であった。