電話の思い出(1)   呼び出し電話   青野正宏
我が家(子供の頃の実家)に電話が引かれたのは、父親の勤務先の都合もあり、経済力不相応に近所より早かった。そうすると近所の家で外部から用件があるとき、我が家の電話にかかってくるので、その家に行って呼び出しで取り次いだものである。そのうちの1軒では、商売の関係かなにかで比較的煩雑に電話がかかってくる。その人の名刺に(呼)と続けて我が家の電話番号が記載してある。やや呆れた様子で近所の人が話していたのを覚えているが、特に我が家では嫌な顔は見せなかったようである。さすがに、中元やお歳暮を持ってきていたようである