映画: 風と共に去りぬ とは? 2月1日 御代川義則(健康改善センター主宰)
機会があって、「風と共に去りぬ」の絵を描くことがありました。勿論オリジナルは描けないので映画のポスターを見ながらの描写です。
●「風と共に去りぬ」1936年原作マーガレット・ミッチェル、この作品でピューリッア賞を受賞。1939年に映画化。主演ヴィヴィアン・リー、クラーク・ケーブル アカデミー賞9部門を受賞
●「去りぬ」とは、去ったのか/去らなかったのか。上映当初から映画愛好者の間でも疑問の声が聞こえていましたし、既に議論されていたのですが面白いテーマなので敢えて書きました。文法的に二つの解釈があります。文語助詞「ぬ」が否定(去らなかった)の場合、未然形接続の「去りぬ」になり、一方連用形接続の「去りぬ」なら完了の「去ってしまったことだなあ」となる。
南北戦争という「風」と共に当時絶頂期にあったアメリカ南部白人達の貴族文化社会が消え「去った」ことを意味するという解釈があり、「去りぬ」は古文的表現で「去った」という完了の意味なのです。従って「風と共に去った」はアシュリーやバトラー(クラーク・ケーブル夫)まで自分から去ってしまったことを意味している。[参考: 夏はきぬ 夏は来た/風立ちぬ 風が立った。]
でもこれで終わらない。強い気性の主人公スカーレットは故郷アイルランドのタラを思いながら立ち上がるのです。素晴らしい映像とテーマ曲がこれでもかと心を揺さぶってくる。生涯感動の1作です。 
●米国内での黒人に対する警官の暴力から暴動が起きこの映画の上映が中止になった。これを受けてアフリカ系の映画評論家は「この映画で差別のことを議論する機会になっている。」として上映に賛成の意を示している。
★強い女の一代記を光と影を隠さず時にドロドロも容赦なく描き切るからこそ逆に清々しく愛おしい。
「今あるものに満足できず、目の前の本当の幸せを掌から救い逃してしまう人間の儚さを描いている。」一方ラストシーンは「世の全てのものは移り変わりまた生まれる。苦しいことがあっても永遠には続かない。』何か諸行無常の一断片を感じさせる。
他の素晴らしい小説や映画などの作品が
中止にされることなく上映されることを祈ります。
★映画 「戦争と平和」原作トルストイ
1959年 オードリー・ヘップバーン
3時間半の「風と共に去りぬ」と似た壮大な映像と共に戦争と愛を扱っているのでこちらもお薦めです。