「北米先住民の口承詩が伝える古代からの知恵」その2
11月26日 御代川義則 (健康改善センター主宰)
◆ヨーロッパの人々がアメリカ大陸に到達する以前 約1200万人の先住民が住んでいたと推定される。しかしいくつかの悲劇が重なり25万人まで減少した。自然と調和し大地と共に生きてきた先住民が数奇な運命にありながら彼らの口承詩は今日まで伝承されている。彼らの思想の礎に「地球の上をそっと歩くようにバランスと調和を大切にして暮らすこと」というものがあります。彼らから学ぶ古代の精神的な教えは現代を生きる我々の生活にも活かされることが多分にあります。子供から大人まで全ての年代に通じる教えの一部を紹介します。我々はアメリカインディアンというと西部劇に出てきたインディアンを思い浮かべますが下の詩を読んで認識を新たにすると思います。
・人間の瞳は舌が発音できない言葉を話す。ショショ族
・自分より偉大なものには常に畏敬の念を持て ショショ族
・頭による理解には誤りがあっても体による経験には誤りは無い。スー族
・人間は人として生まれるのではなく人になるために生まれる。チェロキー族
・怒りは自分に盛る毒 ホピ族
・親切とは言葉を慎み人を傷つけないように心がけることだ。オマハ族
・思考は矢のように放たれたら的を射る。注意しないと自分の放った矢で倒れることになる。ナバホ族
・親の助言と冷酒は後から効いてくる。 オレ族
・あなたが生まれたとき周りの人は笑って、あなたは泣いていたでしょう。
だからあなたが死ぬときは、あなたが笑って周りの人が泣くような人生を送りなさい。作不明
これらの人生訓とも言える口承詩にはハッとさせられるものがあり、どこかで聞いたことが有るような詩もあります。古代の詩(信仰と神と舞の関連)においてはネイティブ・アメリカンの詩以前にエジプト、アジア、日本などにもありました。しかし詩の内容が端的でまとめられていることに人気となったのではないかと思います。
●詩は国を動かす!
「詩(音)は政治を動かし(人を動かし、国を動かす)、天地鬼神を動かす。」(鬼神は超自然的な力を有し、生者に護法や悪事を働くと言われた。この鬼神を人間の利益になるように動かす為に詩(歌)を使った。
音は人の感情を表すことから国が上手くいっている時は安楽の音、国が悪い時は亡国の音が強くなると伝えられた。従って詩の使い方によって国が左右する重要なファクターでもあるのです。
■コーヒーブレイク
(1)北米先住民の考え方について触れます。「お金やモノが無くても幸せに暮らせる」人と自然に感謝しながら生きれば毎日がこのうえなく楽しい!現代人は物質文明の恩恵でお金さえあれば大抵のモノは手に入る。しかし現代人はある時から大きなカン違いをしたことに気づいていない。人生は本当はシンプルなものである。笑うこと、分かち合うこと、急がないこと、感謝することなど単純な心掛けにこそ本当の豊かさを味わい幸せのためのヒントが隠されている。(2)似た考え方がフランス人にも!
書籍紹介「お金がなくても平気なフランス人、お金があっても不安な日本人」
講談社 吉村葉子著
つづく