宝石の話シリーズ- 「宝石の中のジュラシックワールド」
7月17日 御代川義則(GIA,GG 宝石鑑定士)
嘗て琥珀の鑑別をする機会が有りました。とても綺麗なアメ色の石の中に黒い物が有ったので拡大検査したところ蟻が入っていたのです。昆虫や植物が琥珀の中に入っていることは、我々鑑別者にとっては珍しい事では無いのですが、、数分して、、ナンダコレは?的なことが
起こったのです。蟻が動いたのす。‼️生きているのか?いやそんな事は無い!
結局、石の中の水分や気泡が顕微鏡のランプの熱によって暖めてられて膨張して動いたものだったのです。
ここで琥珀について簡単に書きましょう。
琥珀: 琥珀は太古の樹木の樹脂が化石化したものなのです。
樹木は数千万年前〜数億年前のもので白亜紀以前の岩石から採取されている。産出地はドミニカやバルト海岸等が有名です。宝飾品として古いものはミケーネ文明で発見されている。琥珀の活用としては宝飾品以外にヒポクラテスの時代から琥珀から抽出した成分を使ってヒーリング療法に使われていた。「木々の葉が光によって水分を分解して酸素を生み出すように、樹液から出来ている琥珀は負のエネルギーを排出し気持ちを活性化させる」と言われている。
琥珀の石言葉: 活性、繁栄
世界最古の琥珀は約3億年前(シベリア産出)のもの、
日本では、岩手県久慈市で採取された久慈琥珀が約9000万年前のものでマニアの間では有名です。
琥珀の硬さはモース硬度2〜3。人間の爪は2.5なのでほぼ爪と同じ硬さと思ってよい。
ジュラ紀(2億130万年前〜1億4550万年前)
ここで、映画ジュラシックパーク第1作のストーリーを思い出してみよう。 「一人の科学者が琥珀の中の蚊を発見!
恐竜の血を吸ってジュラ紀を生きていた蚊の体内から恐竜のDNAを抽出して現代に恐竜を蘇らせた。」
これは現実的には仮説の域にあるので
ひと安心!
最後に、琥珀に興味ある方は宝石店で虫入りの琥珀を一見してはどうですか。