鎌倉橋巡り解説番外 2月2日 青野正宏
歩こう会で割愛した鎌倉十橋
1 勝の橋
予定では訪れるはずだったが結果的に省略した橋。鎌倉八幡宮一の鳥居を出て西方向に向かい、突き当たって小町通りに入り、20m程進んで川喜多映画記念館がある通りを扇ガ谷踏切まで進む。踏切を越えて今小路通りに突き当たるところにあるのが勝の橋(跡)である。他の橋は川が見えていなくても暗渠の形で水が流れているが、ここはその痕跡もほとんどない。強いて言えば今小路通りの下にカルバートボックスが設置されており、これが橋の跡と言えないことはない。寿福寺境内の奥から細いわずかの水路があり、このカルバートボックスを通って扇谷踏切を渡り、扇川に合流している。しかし、昔の図面を見ると扇川は現在のように横須賀線東側の扇ガ谷2丁目を流れているのでなく横須賀線の西側を流れていたようである。(今小路の阿仏尼墓あたりの起伏を見ているとちょっと想像しにくいが)
寿福寺の前で向きを東に変えている。それならばここに橋が必要だったということは理解できる。勝の橋の由来は近くの尼寺英勝寺を建てた「お勝の方」からきている。鎌倉町青年団の碑あり。
扇川
2 歌の橋
筋替橋から金沢街道を東に600mほど進むと、二階堂川に架かる橋がある。橋の名前の由来は謀反の罪で処刑される前に読んだ歌により、処刑を免れ、その礼のため建てた橋からきている。(当然、現在の橋とは異なるが) 鎌倉町青年団の碑あり
二階堂川
3.十王堂橋
北鎌倉駅から鎌倉街道を150mほど大船方面に向かって歩くと向かって左側だけ開渠の橋がある。これが十王堂橋である。名前の由来は閻魔王など地獄において亡者の審判を行う十王の像が置かれていた十王堂があったため、十王堂橋と名付けられたとされている。下流側は橋のすぐ先で瓜生川と合流している。上流側は暗渠となり鎌倉街道のはしたを流れている。円覚寺前で一部開渠となっている。川の名は小袋谷川。このあたり別名山内川とも言う。建長寺の境内から流れ出し、明月川・瓜生川と合流し、大船で柏尾川と合流する。
4.針磨橋
江ノ電極楽寺駅から300mほど稲村ケ崎方面に行くところにある。上流側暗渠で下流側開渠で極楽寺川が流れている。ここにあるのが針磨である。針金を磨いて針を作る老婆が住んでいたのでこの名がついたといわれる。鎌倉青年団の碑もあったが、私有地にあったため、撤去して良いか市に確認したところ、登録文化財でないという理由で廃棄してしまった。図書館で気がついたときは後の祭りであった。仕方がなく、湘現会分科会CPCの会で撮影した碑の写真をはめ込んだ案内板が設置されている。
極楽寺川