養老孟司先生のこと:最近、「人の壁」を出版し再考させられた!    22.5.16 御法川齊
 21年秋:日常が大きく変わった今、解剖学者・養老孟司に日々を生き抜くヒントをいただこう。愛猫まるを失い、病からの復帰を遂げた作家は、自然豊かな鎌倉の私邸で静かな日々を送る!との謳い文句で先般NHKBS3 「まいにち養老先生まる」の放映があった。養老邸に有りそうな5月の花フォト2枚。
人生に必要なのは、日々を生き抜くための「金言」と、ほんのちょっぴりの「毒」。金木犀の香る庭で思索を深め、紅葉の寺を散策し、月夜の晩に妻と連れ立って食事に向かう…穏やかな時間。
〜その中で2年掛けて『人の壁』を脱稿し、ユッタリと達観の域で話されていたのが印象的であった。
生憎、途中から観たが円覚寺・龍隠庵でノーベル賞候補者とも言われる脳科学者の小泉英明氏との対談も。東大研との協働で子ども達と四国の虫調査〜その中の言葉で“夢中になっている時間がどれだけあったか、それが人生の価値を決める”と「金言」。
 「人の壁」では、“生きる極意は(人間でなく猫を含め)自然に学べ。幸・不幸は人間関係の良し悪しで決まる!”人間社会で尤も不幸は、いじめである。日本は古来花鳥風月の自然を大事にする文化を持っているのだから(人間以外の客観的世界である)自然の世界に学ぶべし!、と。〜〜序に〜〜
湘現会との関係では丁度9年前、2013.5.19の湘現会20周年記念講演会にて特別講演会『脳と笑いの力』を講演頂き〜笑いの力で健康的に生きよう!と熱弁を振るわれた。
先生は昆虫、解剖、脳学者ですから難しい事も説かれるのかな、と思いましましたが、大のダジャレ好き。全て笑いながら〜飛行機はあんな重い物が飛ぶ筈がない、それに気付くと落ちるのですよ、と先週、昆虫採集に行ったラオス訪問時の墜落事故談も踏まえて《自己言及》の難しさを説く。白板に自己と書いたが、事故もかな、と穿って考えさせられた。
一方で鎌倉・世界遺産は残念だったが「新幹線の正確な時刻」は将来の世界遺産ですね!日本人がGlobal化するには正確さ、真面目さ一本槍の性格からの脱皮で冗談が通じる国民になる事が必要ではないか?と辛辣さも交えた話で聴衆を沸かせた。
 何の事は無い頭の血液循環を良くすれば良い!それには360度の視点で観て考えて、そのプロセス、結果を楽しみ笑う事だ!と言われた気がします。
 でも話が良く飛びましたね、それだけ知識が広く深いのでしょう。途中、話が飛び過ぎて頭の中が白くなり、何を話していたのだっけ?と戸惑ったのもご愛嬌。
 また質疑にも応えられ、“検診し過ぎると寿命が短くなる”と現行医療制度の課題を医者と患者の立場から論じた。またラオスのキャベツ畑では肥料を使わずモンシロチョウが大発生だが、多肥料農業の三浦半島にはチョウが全くいない、と自然環境保護の観点から矛盾を衝いた話に皆が頷く。
やはり先ず
第1に何でも興味を持ち、知識・見聞を広め、特に興味があった事は深く追求・深耕すること。そうすると脳(心)が活性化する。第2にその知識・見聞を使う、実践すること。即ち発露、行動して体(身)も活性化する。第3に其処に笑いが加われば何倍増にもなる。心身共に活性化して健康を維持できると言う事でしょうか。
 “皆さん、家に引込まらずに外に出て活動しましょう” 鎌倉近隣は、お金も余り掛からずに楽しめるハイキングコースも整備され、お喋りして
笑いながら歩けるので健康的です。
序にゴミを拾いながら歩くと、更に心がスッキリし活性化するから不思議です。湘現会・歩こう会にも、そういう方々が大勢おります。
 またその後、2014.11.29に鎌倉風致保存会 50周年記念行事では記念講演で 「鎌倉の森、今昔そして未来」 と題し、鎌倉に生まれ育ち幼少期には虫を追って野山を駆け回った。政府の森林関係の審議会委員長も務め自然に関する造詣が深く、鎌倉の森林の在り方を語った。


    
フデリンドウ:小さくて5cm見逃す    サイハイラン:半日陰でひっそり咲く目立たない花