マニアックな鎌倉案内 踏切編その3

小町踏切 4.315Km 今小路七ツ長122 (扇ヶ谷1-8-1)
  東は若宮大路の二ノ鳥居付近、西は少し曲がるが佐助トンネルを経て佐助谷戸に至る道と交差する踏切である。鎌倉駅プラットフォームの北端のすぐ傍にある。踏切の東側が小町通り、西側の道をまっすぐに進めば銭洗弁天に至る道となるので比較的観光客がこの踏切を渡ることが多い。新しい標識に代わって現在のアドレスに代わっているが、現在のアドレス表記では厳密に言えば「扇ガ谷」でなければならないのに扇ヶ谷」になっている。これは以下の今小路踏切、扇ヶ谷踏切も同様である。

小町踏切 小町踏切標識旧
小町踏切標識 新

今小路踏切 4.053Km  雪ノ下今小路118-1 (扇ガ谷1-19-17)
 若宮大路にある清川病院前から小町通りにある聖ミカエル病院前を通って横須賀線に至る綾小路通りにある踏切である。四輪車は通れない。横須賀線の西側は今小路通りにつきあたるだけでそれから西への道はないので、近隣の人が利用するだけの踏切だと思うがどうだろうか。
 ところで今小路踏切のアドレスは雪ノ下今小路となっている。今小路は現在の町域名で言えば、扇ガ谷に属しているが、ここでは雪ノ下の大字の下の小字名となっている。小町踏切のアドレスは今小路七ツ長となっていて、今小路が大字扱いとなっている。ちなみに七ツ長は小町町域側の地名である。あるいは今小路はあくまで小字で、七ツ長は小字の下の小さな地名という意味か。こちらのほうが自然か。どう解釈良いのか現時点ではわからない。

今小路踏切 今小路踏切標識旧
今小路踏切標識新

扇ヶ谷踏切  3.935Km  扇ヶ谷190
小町通りの北端近くから川喜多映画記念館の前を通り、寿福寺に至る窟小路にかかる踏切である。扇ガ谷北部で横須賀線西側(扇ガ谷4丁目)から鶴岡八幡宮方面に車で向かうには、この踏切を通らなければならない。海蔵寺付近から流れ出る扇川は、現在扇ヶ谷跨道橋の下を横須賀線東側に流れ出て、そこから南流して、小町通り、若宮大路を越えて、滑川に合流しているが、昔は、現在の扇ガ谷跨道橋付近から横須賀線を越えず、今小路どおりに沿って南流し、寿福寺前から今の扇ガ谷踏切付近を通って、現在の扇川の位置に至っていた。今は、今小路沿いは単なる側溝となっている。寿福寺境内から流れてくるわずかな水流が扇ヶ谷踏切の下を通って扇川に合流しているのがわずかな名残である。寿福寺前には鎌倉十橋のひとつ、勝の橋があったが、現在は碑が立っているのみである。

扇ヶ谷踏切 扇ヶ谷踏切標識旧
扇ヶ谷踏切標識新

寿福寺踏切  3.853Km  扇ヶ谷305

 英勝寺前にある踏切である。寿福寺前にも踏切があるのに、寿福寺前の踏切が扇ヶ谷踏切で、英勝寺前の踏切が寿福寺踏切とはどういうわけだろうか。
 この踏切の東側の扇ガ谷2丁目と3丁目は巌通りに面した数件を除いて4輪車ではこの踏切かこの踏切の北にある扇ヶ谷跨道橋の下を通らなければ外界にでられない。(2輪車か徒歩では扇川沿いの狭い道を通って扇ヶ谷踏切前があるいは亀ヶ谷切通を越えて山ノ内に出ることはできる。) 扇ヶ谷踏切と70mしか離れていないが、横須賀線東側で車道としては断絶しているため、代替はできない。徒歩の場合は代替可能である。筆者は山ノ内側から亀ヶ谷切通を通って市役所方面に向かうことがあるが、寿福寺踏切近くで警笛が鳴り出すと待ちを嫌ってそのまま線路沿いの細い道を通って扇ヶ谷踏切に向かう。扇ヶ谷踏切に至ってもまだ警笛が鳴っている。それぐらい両踏切の間は近い距離であると言える。
 映画で鎌倉の古い映像を見る目的で小津安二郎の「麦秋」を見ていたら踏切のシーンがあった。北鎌倉に住んでいるという設定で、主人公の父が散歩がてら小鳥の餌を買いに行くというシーンだったので、北鎌倉の踏切だと思っている人もWEBを見るといるようだが、実際はこの踏切である。昔も今も映画やドラマはそこまで現実に忠実ではない。

寿福寺踏切 寿福寺踏切標識
寿福寺踏切 昭和26年
映画 麦秋より
寿福寺前の庚申塔
映画ではこの前を通って踏切へ
数年前の庚申塔アングル 現在の庚申塔アングル
前の家は駐車場になった。

扇ガ谷架道橋  3.5328Km  アドレス表記なし

扇ヶ谷架道橋
扇ヶ谷架道橋標識
ボロボロになっているが辛うじて
扇ヶ谷架道橋と読める。
距離は3K552M80とある。


旧鎌倉北部