続谷戸の記録 大船・深沢・腰越編について
リタイア後、諸般の事情であまり遠出をすることができなかったので、その代わりに鎌倉を高密度に歩き回ることにしていました。あるとき、図書館で「谷戸の記録」という名の資料が郷土資料欄にあったので、借り出して読んだところ、鎌倉旧市内の谷戸の探索記録と写真及び新旧地図の記録であり、鎌倉を歩き回りに非常に参考となると感じました。その後、インターネットでCPCをキーに検索したところ、湘現会とCPC分科会のページを見つけ、谷戸の記録の続きとして新市内調査中とあり、この分科会に参加することにしました。そのため、親組織である湘現会に入会しました。
入会後、意外であったのは十数名の会員がいると思っていたのに、参加者が少なかったことです。当時の世話人の小林光男さんも私の入会と入れ替わるように病気で倒れられ、その後亡くなられてしまいました。現在インターネットで2006年当時の記事が
こちらにに残っていますが、ほとんどの人が姿を消してしまわれました。
しかし、幸いなことに指導者の図書館・平田さんとカメラマン・原山さんのキーマン2人が健在であり、残ったメンバーと新しく入会したメンバーとで続けることができました。
このたび、大船・深沢・腰越地区の調査が完了したので、一つの区切りとしてCDにまとめました。内容はひとつまたは複数の町域単位に概要を示し、それらをまたいくつかの谷戸や地域に分けて、探索記録、撮影した写真、現在の詳細地図と空撮写真、それに対応する形で昭和20年代の地図と空中写真を掲載しています。現在の地図には昭和29年当時の谷戸の形が分かるような線と写真の撮影位置も記載しています。
CPCの会はその名称の意味がわかりにくいということで、「鎌倉の今昔探索の会」と名称を改めています。しかし、旧鎌倉編の「谷戸の記録」やいろいろなところで「CPCの会」の名でで記録がされています。それらとの一貫性を保つためにCPCの会の名称も併記して用いています。
この資料は、観光案内、ハイキングガイド、鎌倉紀行文、郷土史 のいずれでもありません(少々各要素は入っていますが)。それらのつもりで見られると期待外れかもしれませんが、鎌倉に数多くある谷戸を散策し、その今昔に思いをはせるには、好適の資料であると思います。
青野正宏 記